牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

昨日の対面授業2回目 

演習 杉山さんの発表 日本人の中国旅行 最初のツアー旅行について、実に興味深かった。また質問に答えて、日本の旅行社の企画や旅行の形態が中国の観光地に影響した点など、面白いものだった。いい卒業論文が書けることだろう。

梁漱溟と毛沢東の話から、現在の学術会議への弾圧についいて話したのが枕でした。

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学術会議拒否された方々のブックフェア

特殊講義 映画論 大島渚の「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」に表れた国家主義への反駁、反戦のメッセージを、四方田犬彦「日の丸とペニス」を基に解説した。次回からは配布した映画作品について、レポートしてもらう。

授業後はビープラで食事。毎回実施する予定です。

 

昨日のZOOM授業 学術会議会員候補拒否問題

中国語 11,12課を復習しました。30人ぐらい指名して、読んでもらいました。よくできています。後期も頑張りましょうね。

文化論Ⅱ 「不在」と東アジア現代アート pptで説明しました。受講生の専門について話してもらいました。次回は発表の計画を話し合います。

学術会議の問題は、政府が理由を説明しない限り、学問に対する弾圧と見なされる。表現の自由、学問の自由は、守らなければいけない。政権の都合のいい事しか言わない人間ばかりなら、独裁は強まり、先の戦争時期に逆もどりする。歴史の失敗を繰り返してはいけない。

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岳敏君 無人の風景 開国大典

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開国大典

 

昨日の対面授業

対面授業の初日でした。精神的に弱っているところ、実施してくれて助かった という感想をいただいて、やってよかったと思いました。

授業前後は会計、入試、成績、福利厚生書類、人事関係の5つの仕事をしました。

演習 新千年図像晩会を配布して、大まかな内容と面白さを説明、武田雅哉先生ほか北大中文の紹介をする。連環画研究など。+最近の私の仕事 「不在」と東アジア現代アート

特殊講義 日中映画論 大島渚 塚本晋也 張藝謀 賈樟柯 池谷薫 各監督の紹介と代表作について話し、一人一作ずつDVDを渡す。

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これまでの主な講演


 

中国語zoom手違いすみませんでした。

中国語:URLを再度張り付けて1時間も遅れてしまいました。出席は問いません。一応50,51p復習しました。次回は手違いのないように注意します。

文化論2:中国現代アート全般について

1980年代から90年代、中国は世界に開いていった。コンセプチュアルアート、ポップやキッチュなど共通の認識を経て、世界へ参入していった。現在のソーシャリーエンゲージド・アートは、今更の動向ではなく、社会性の強さは、かつてからあった趨勢である。この方向性もまた世界へと開いていくものである。政権は逆行していくが、文化は共通認識へと向かっている。映画ムーラン実写版ボイコットのこと、「三体」作家への批判などは、香港問題、ウィグル、チベット問題に繋がっている。またアイ―ウェイウェイの映像作品、「ヒューマンフロウ」「コロネイション」は難民問題、コロナウィルスによる武漢封鎖問題など、世界の問題に向かっている。

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現代アート

 

水曜最終回

演習 東アジア現代アート 少女像から派生する作品 切り口から網羅し、共通する思いをくみ取る方法について

研究法 福原さん発表『日本と中国、「脱近代」の誘惑』まとめ

脱近代、アジア的なるものに何かあるという幻想、資本国家民族を否定したら何かあるという幻想、空気を排除し、近代合理主義、民主、科学を発展的に構築すること。

一般意志2.0 市民社会の充実、憲政、法による公正な社会、

国家主義、排他的ナショナリズム愛国主義 内と外の対立を煽る考え方を捨てること。

独裁を離れ、富の再分配を合理的に実現させる。マイノリティーの立場に立つ。

政府の説明責任を追求する。国家中心ではなく、人間中心へ。

アートによる自由、普遍的心的価値の追求と、東アジアにおける共通認識の表出。

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小田原のどか「彫刻の問題」2016

昨日月曜最終回

1限 中国語 5から14課を復習しながら、発音のテストをしました。

2限 修士 研究基礎 私のエッセイとPPT東アジアの現代アートについて意見をもらう。

3限 博士 松本さんの発表 日本語文法 断定の回避 自問 私の発表 もやもや感 湿っぽさ 未解決 関係性の曖昧さ   

4限 概説 レファレンスのこと 東アジアの現代アートppt 感想を聞く。

 

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寺山修司「二頭女」

news.livedoor.com

謝罪する男性が安倍であれば良いという気持ちはあるが、誰かを特定してはいない

3限 演習 趙さん発表 高行健について 

「不在」と東アジア現代アート 補足 来週最終回はpptを作ります。

自己と他者 国家と民族に敷衍する 

アライ=ヒロユキ『天皇アート論』(社会評論社)2014では高松次郎の「不在性」への問題意識はハイレッド・センター中西夏之赤瀬川原平とも共有すること、高松が「見えない制度」に取り組んだことを指摘している。(100p)

また明仁天皇が描かれた会田誠の「戦争画RETURNS」『一日一善』1996について、ここからは「敗戦の記憶」を見ることができ、「善良を装った権力の裏面にある不実を突きつける」とする。(210~214p)当然ながら、こうした捉え方は、小泉明郎の「空気シリーズ」にも共通したものだろう。

 

4限 研究法 端さん発表 4-3 「アジア的なもの」をめぐる日本の言論空間

戦後日本は、成し遂げて来たはずの「国家中心から人間中心へ」というパラダイムシフトを隣国に伝播させることに非力すぎた。一国近代主義を超えて、隣国同士が一緒に近代化民主化を進める必要がある。単一権力社会を変え、民権が国権から独立した社会を作っていく必要がある。

来週は最終回。全体について。

キム・チャンニョル園長は「謝罪する男性が安倍であれば良いという気持ちはあるが、誰かを特定してはいない」と述べた。

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永遠の贖罪(しょくざい)

jp.yna.co.kr