3月4日、8日は会議
その後3:00から埼玉近美で井口壽乃先生最終講義 ハンガリーアヴァンギャルド、モホイ・ナジ(1895-1949) バウハウス 生命中心主義、トーマス・ヘンリー・ハクスリー ネオ・ダーヴィニズム この問題は坂元ひろ子先生の天演論翻訳にも関わるが、中国では優生思想に傾いている。それは近代中国の被侵略という状況がそうさせたのだろう。
5:00から坂元ひろ子先生を偲ぶ会。
『中国近代の思想文化史』(岩波新書)では女性史を随時取り込んでいる。先生は日常でも女性ばかりではなく、様々な差別に対して、弱い人を助けるのは人として当然のこと、として取り組んできた。遺作となる『厳復:天演論』(岩波文庫)近日刊行予定、では現在まで至る優生思想を如何に捉えていくのか、考える契機となるだろう。近代中国思想研究への貢献ははかり知れない。
12、13日は入試業務
16日、14:00からは一橋大学の佐野書院で、坂井洋史先生の最終講義「低徊の愉楽-文学史的思考とは何か」。中国古典文学から近代文学へと詞人詩人随筆研究の点が線に結ばれ、面を構成し、行きつ戻りつしながら、やがて兪平伯へと集約していく。
先生は日本の中国文学研究の最も誠実で、最も優れた学者だ。3時間に及ぶ授業だったが、一時も厭くことはなかった。坂井洋史先生の底力というか、軽妙にして重厚な時間だった。「兪平伯雑記(其四)」『九葉読詩会』9号の遊離と独在の概念にも感銘した。
それにしても自分には学問が足りない。というか無い。今更仕方のないことだが・・今回は本物の学者に触れたと感じた。ありがとうございました。