牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

シラバス書きつつ雑考 Sさんへの手紙

文化 重要なのは日本文化が良いとか悪いとかという問題ではなく、広がりをもち受容され流れ出る文化なのかどうかという議論である。つまり文化が流動体として、国境を越え、閉鎖的社会を変える力になり得るのかという今日的課題である。

Sさんへの手紙

はい、DMで送ってくれました。
よろしくね と言っておきました。

あなたのお母さんも私も中国近代文学研究者です。
文化大革命終了後、党は宣伝のために
大学で近代と古典を半々に中国文学研究者を養成しました。
ところが近代文学を学ぶと魯迅はじめ文学者の抵抗を学ぶことになった。
その結果が64天安門事件です。
(この運動は失敗しましたがベルリンの壁崩壊へのきっかけにもなった。
ドイツは中国の学生運動に感謝している。)

日本も中国に倣えで、日本にしては破格に多い中国近代文学研究者が生まれた。
結果 やはり多くの反抗者を養成しました。
この人たちは 粘り強く中国の民主化を求め続けています。
日本に対しても同様です。

アイ・ウェイウェイは「2代にも亘って関心を持ってくれることに感謝する」
と私に言います。それは艾青と艾未未
日本でも多くの研究者が艾青を研究しました。だからです。

艾未未さんが比較的容易にあなたを受け入れられるのも
こうしたバックボーンがあるからでしょうね。