日本・アジア文化論7(オムニバス授業、7,8回を担当)
「不在」と東アジア現代アート『埼玉大学紀要教養学部』56巻1号2020年
(全文は近くSUCRAで公表されます)
不在をキーワードにして中国、韓国、日本の作品を比較検討する。まず岳敏君の「無人の風景シリーズ」と小泉明郎の「空気シリーズ」を取り上げて、その影の持つ不可視性について考察する。さらに空っぽの椅子の表象に注目し、キム・ウンソン & キム・ソギョン「平和の碑」から対話への希望と不戦へのメッセージを見出す。また不戦の具体的な意図を銃の表象に求め、小沢剛「ベジタブル・ウェポン」や尹秀珍「時尚恐怖主義」に共通する危機感を考察する。最後には二重の不在である毛同強「我有一個夢 I Have a Dream」を取り上げて、不可視的な観念の世界で結びあう可能性がある事を指摘する。