牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

水曜13週目 新年初日の授業です


研究法 修士論文3本、卒業論文2本に関する内容と総評 四川汶川大地震2008.5.12 十年へ 花脸巴儿 2010年アイ・ウェイウェイ インタヴュー 翻訳の紹介 花脸巴儿 偷油渣儿 婆婆逮到打脸巴儿 爷爷抓到扯毛根儿
艾未未工作室:花脸巴儿艾未未工作室:花脸巴儿 - YouTube

演習 橋本さん発表 維権運動ー人権を求めて 
「ドイツの新カント派がこの問題を焦点化していきますが、その代表的な人物がマックス・ウェーバーです。彼は社会科学にとって最も重要な概念が「価値」であると考えました。また、価値に注目した彼は、合理性には2つあると考えました。それは目的合理性と価値合理性です。彼の古典『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』では、ピューリタンにとって勤勉に働くこと自体が神への奉仕であり、お金を儲けるために働くのではない、つまり、これは価値合理性ですね。しかし、ピューリタンは贅沢や豪遊を良としないのでお金は貯まり、それを投資に使っていきます。投資が重なることで経済が発展し、資本主義を拡げていく。そして資本主義がシステムとしてまわりはじめると「価値合理性」が見失われ、目的に対して手段と追求しつづける「目的合理性」が社会を覆っていきます。」

「20世紀の人文社会科学ではこの種の議論は批判もされていきます。ウェバーは価値を強調しましたが、それに対してマルクス主義は階級のほうが重要だと主張しましたし、フーコーを始めとする構造主義では構造が重要だという議論をします。こうして人文社会科学が考えてきたことは多様ですが、自然科学的な合理性に対し、自明な価値を批判し、新しい複数の価値軸を考える点では一貫しているのです。 つまり、目的は自明ではないし、階級も、構造も、私たちを無意識のレベルから呪縛している。しかし、その自明性の呪縛から解き放たれるには、創造力を培うことが必要で、それには価値に照準した文系的な知が必要だということはウェバー以来繰り返し論じられてきたことです。」
2016年5月8日文系学部廃止 瑣末な議論は終わりにしよう『「文系学部廃止」の衝撃』吉見俊哉東京大学大学院教授インタビュー本多カツヒロ (ライター)文系学部廃止 瑣末な議論は終わりにしよう 『「文系学部廃止」の衝撃』吉見俊哉東京大学大学院教授インタビュー WEDGE Infinity(ウェッジ)

中国の公害問題や人権問題などは、最も重要な概念である「価値」を見失っていると考えられるのではないか?それはまず「生活」の向上であって、「発展」ではないだろう。

修士論文3本、卒業論文2本に関する内容と総評