牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

水曜7週目 文革の真相

研究法 田中さん発表 新左派 汪暉 中国内部の「単一権力社会」の問題。「西側諸国の介入」「グローバル資本主義」といった外部に問題を求めてはいけない。韓国政府が会話を求めている現状で、現在の日本も「外部」北朝鮮の脅威を煽ってはいけない。問題は内部に蓄積しているのに外側に庶民の注意をそらす行為。
銭理群 「五七体制」「六四体制」を党による専制として一続きと見る。民主化、正しい分配。
「罪の手ざわり」最初の部分を見る。
演習 章君の発表 道徳真空 文革の問題 歴史を記憶しないものは、再びそれを繰り返す。 中国の反右派闘争、大躍進の失敗・文革・六四 日本の侵略戦争 

金野純「文化大革命と暴力−研究動向と今後の理論的展望」『中国−社会と文化』32号 2017年07月 

「66年は紅衛兵による組織的な衝突や教師、元地主、元資本家やその家族にたいする野放図な暴力が頻発したが、67年後半以降に新たな統治機関として革命委員会が全国的に組織されると、新機関によって「敵対者」に対する組織的な鎮圧がおこなわれた。我われは、文革の暴力といえば紅衛兵の活動を想起するが、実際にはむしろ、67年後半以降の国家権力による鎮圧的暴力が文革の犠牲者増大の主要因として作用していた。その際たる事例として「階級隊列の純潔化」運動がある。この運動は革命委員会成立後におこなわれ、幹部や大衆のなかから「裏切り者」、「スパイ」、「死んでも悔い改めようとしない走資派」、「反革命分子」のような「敵」を選び出す運動が全国的に展開して、多くの人々が無実の罪で迫害、殺害された。」