牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

阿古智子 浦志強さんのこと

皆様 浦弁護士の状況、しばらくお伝えしていませんでした。ご心配おかけしていると思います。既にさまざまなところで情報が伝わっていると思いますが、昨日(8日)、弁護士(浦さん)、検察、裁判所の三者で開廷前の会議が行われました。奥様が送ってくださった弁護士事務所からの書類によると、検察が新たに提起した起訴状で問題視している浦弁護士のインターネット上での投稿は、以前の起訴状にあった30項目から7項目に減っています(添付書類)。30項目のうち、検察、裁判所が「これは争えない」とみた項目を削除したものと考えられます(そういう解釈でいいでしょうか)。共産党がなくてはなぜだめなのか、といった問いかけや、以下のような、少数民族問題に関する投稿が7項目のなかに含まれていますが、これらの投稿が「民族の恨みを煽った罪」とか、「騒動を惹起した罪」にとえるのかが争点になります。第一審がいつ開かれるのかはわかりません。今年中だろうという声もありますし、いや、もう少しかかるのではという声もあります。

浦さんも、浦さんの弁護士さんたちもがんばって自らの正しさを主張しています。30項目から7項目に減ったというのは、嬉しいニュースです。奥様は今日、浦弁護士が乗った車が入ってくるのを一目でも見たいと、北京の第二中等裁判所に行かれたのですが、警察に阻止されて車に近づけなかったそうです。浦弁護士が20年前に奥さんに買ったダウンジャケットに黄色いスカーフを巻いて行ったそうです。警察は奥様を阻止した後、ていねいに奥様を弁護士事務所まで車で送り届けたそうです。

奥様から、日本の支援してくださっている方々によろしくお伝えくださいと伝言をいただいています。皆さま、本当にありがとうございます!また、進展がありましたら、報告させてもらいます。

阿古智子

(参考:浦さんが発信した中国版ツイッターでの投稿)
「天下はすべて王の土地なのか。天下の民はすべて王の家来なのか。新疆が中国のものというのなら、植民地として扱わず、征服者や奪略者にならなくてもよいだろう。先に制した者も、後に制した者も、どちらも制しているのであり、相手を敵とみなすなんて、荒唐無稽な国策だ。ことは一朝一夕に生まれるものではない。また何か起こるかもしれない。死を恐れない民に死をもって脅しても意味がない。襲撃者は真の烈士になりたいと渇望している。先に出るも、後に出るも、一体誰を脅すというのか。新疆の政策は調整しなければならない」(2014年5月7日14時39分に「永州双規哈案律師」のアカウントから投稿)

チベット自治区の寺は「九有」を徹底しなければならないという。毛沢東江沢民胡錦濤など指導者の肖像画をかけ、伊寧(注:地名)ではムスリムがひげをはやしたり、ベールをかぶったりすることが禁じられ、一連の政策によって打撃を与えられている。宗教意識を弱めるなどというが、漢人は頭が狂ってしまったのか。いや、漢人の頭(かしら)が狂っている?!」(2012年1月25日23時58分に「小小律師蒲志強」のアカウントから投稿)

*「九有」2011年12月に実施された寺院に「共産党指導者の肖像、国旗、道路、水道、電力、ラジオとテレビ、映画上映設備、書店、新聞」の九つを設ける事業だ。寺院に共産党の政策を広め、それによって、民族の団結を増強し、社会の安定と祖国の統一に対する責任感を浸透させることが目的