牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

艾未未アイ・ウェイウェイの穴倉生活

私たちは新疆ウィグル自治区下放させられた。(アイ・ウェイウェイ10歳から15歳の時)当時は懲罰として穴倉に住まわせられた。そこは安全だという感覚があった。穴倉の中は、冬は暖かく夏は涼しい。屋根と地面が同じだから、家の屋根を豚が走っていくと、よく尻が天井から飛び出した。思い出すが、穴倉には明かりが無い。父が入ってくる時、梁に頭をぶつけ、蹲った。頭からは血が噴き出した。父はスコップで掘り下げて、床を20センチほど低くした。だから建築というのは人間にとって当たり前の多くの常識さえあればそれでいいのだ。/それから父はインテリだったから我が家に本棚が必要になった。父は穴を掘って本を放り込んだ。見たところそれは見事な本棚だ。だから私は理想的な建築などというものは存在しないと思っている。―『艾未未読本』39−41p(『非芸術訪談』109p)
あの頃新疆ウィグル自治区の生活は苦しいものだった。年に一度しか肉を口にできなかった。正月の時だけはトウモロコシのマントウに少しサッカリンが入っていて私を大喜びさせた。最近、新疆に帰って昔住んでいたところに行ってみると、一つ穴が残っているだけだった。子供のころの仲間も年老いて朴訥に変わり果てていた。私の心は荒涼としていた。―『艾未未読本』39−41p(『非芸術訪談』126p)
アイ・ウェイウェイは謝らない ポスター 先行予約おまけカンバッチ HP 映画「アイ・ウェイウェイは謝らない」公式サイト│2013年11月30日(土)全国公開


週刊朝日2013年11月22日号 ツウの一見 中村千晶さんアイ・ウェイウェイは謝らない

今日の授業
特殊講義 樊さん 天安門事件前夜 王丹について 加藤さん「公民力量」の楊建利 ほか1989天安門事件 ハンストから血の日曜日
演習 アイ・ウェイウェイは謝らない パンフレットについて 歴史 登場人物