牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

月曜12回目の授業:好並晶「毛沢東時代映画に対するアレルギーの消失」

土日はセンター試験の監督で朝は6時過ぎに出て、夜8時9時に帰るという2日間だった。かなり消耗した。今日から卒論や修士論文の審査に入る。
3・4 大学院・学部 アジア現代文化論専門基礎

今回「きれいなおかあさん」「一瞬の夢」も少し見ました。来週も続けて、賈樟柯ジャジャンクー作品を見る予定です。
きれいなおかあさん [DVD]

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プラットホーム [DVD]

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5・6 学部 東アジア文化演習
プリミティヴへの情熱―中国・女性・映画

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今回は朴セロさん、佐藤君の発表。Ⅱ−3「男性的ナルシシズムと国民文化」Ⅱ−4「表層の力」の発表でした。陳凱歌作品の哲学性と張芸謀作品の大衆性、表層性について論じています。張芸謀が露出趣味を戦略的に行使した点など説得力があります。しかしその後の「英雄/ヒーロー」などのマッチョさや北京オリンピックへの協力など最近はいただけないですね。来週は宮永さんの発表で、Ⅲ「民族誌としての映画、もしくは、ポストコロニアル世界における文化間の翻訳」です。
7・8 学部 中国近現代文化研究法
新中国の60年―毛沢東から胡錦涛までの連続と不連続 (書道細字入門シリーズ (1))

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今回佐藤さんの発表で「毛沢東時代映画に対するアレルギーの消失」(好並晶論文)についてです。極めて優れた論文。特に映画「紅色娘子軍」の改編に言及した部分には感動を覚えました。実際に映像で確かめましたが、「可真有意思」とアフレコされた唇は「可真説不明白」と動いていました。3回見て確認できました。改編された末に愛する者の眼差しだけが残った、素晴らしい映画論です。まるで「ニューシネマパラダイス」のラストで検閲でカットされた繋ぎ合わされたキスシーンを見るような感動でした。好並晶さんありがとう。「今天我休息」も部分的に見ました。来週は11章です。