牧陽一の日記です。

埼玉大学 人文社会科学研究科 牧陽一の授業内容です。表紙は沢野ひとしさんの中国語スタンプです。

西日暮里へ

僕を育ててくれた祖母が眠る青雲禅寺へ、子どもと一緒に墓参りに行きました。10数年ぶり。花を手向け、香を焚く。護持会費を未納の2007年分から2012年まで6年分払う。叔父も兄も鬼籍に入ったため、霊を慰める役が回ってきたというわけです。僕自身は無宗教ですが、祖母は熱心な仏教徒でした。家は元々湯島にありましたが、富山県疎開しました。この墓は1933年祖父がたてたもの。僕は学校や仕事の関係で東京に住まっているので、この役を引き受けました。
日本の敗戦から64年。戦後日本の高度成長の始まりに生まれた僕にとって、あの戦争は遥か昔のようにも思えますが、あの戦争によって、祖母や母たちの運命は大きく変わってしまったのでした。いま僕は中国の現代文化について書いたり、話したりすることを生業にしています。ですからあの戦争について常に思考を継続していくことが、義務付けられています。それはさいわいなことだと思っています。